HaFu design

デザイン料(Design Fee)

デザイン料について

一般的に、デザイン料と言うのは非常にあいまいでアバウトです。それはデザインと言う職能と業務が曖昧だからともいえるでしょう。おそらくピンの有名デザイン事務所とキリの無名デザイン事務所を比較すると、デザイン料の差は100倍もあるのではないかと思います。しかしデザインの良し悪しで100倍の差があるかと言えば、そうとも限りません。場合によっては、逆転していることもあるのです。 同じ機能の、百均の商品と1万円の商品を比べて、百均の商品の方が機能や性能、あるいはいわゆる外観デザインで1万円の商品より優れていることは、まず無いと断言できるのですが、デザインの場合はそうとは言い切れないのです。 また、デザイン料と単純に言っても、単発なデザイン開発や継続的なデザイン開発、事業企画や新規事業開拓に及ぶデザイン、デザインコンサルティングや従業員にたいするデザイン教育や指導まで含むのか、買取型か成功報酬型か、商品化に至らなかった場合や契約解除の場合の支払いはどうするのか、試作代や交通費を含めるか、知的財産権などの権利はどうするのか、クライアントの規模やデザイン理解度はどのように影響するのかなど、とても複雑で一概には言えないのです。そんなこともあって、デザイン料は「○○○円~」や「△△△円~○○○円」というような表現になっているデザイン事務所が多いのではないでしょうか。 言いにくいですが、有名無名を問わず、案件の内容と、クライアント状況とデザイン事務所の状況をみて、過去の経験から大体こんなもんだろうと決め、その金額に見積書の内容を合わせ込むのが現実です。

デザイン事務所の違い

一般的なデザイン事務所

一番分かり易く、比較的正確で、納得のし易い計算方法は、中堅デザイナーを正規社員として雇用して、そのデザインを何日でやらせるかを考え、その日数に5万円を掛けるのです。 5万円の根拠は、中堅デザイナーの年間を収入を600万円とし、事務所の人件費・管理費・ハードやソフトなどの設備費、その他経費を入れると、倍の年1,200万円、で1人月100万円、一か月4週、週5日で20日、5万円/1日となります。1日8時間とすれば、6,250円/時 です。 時給は半額の3,125円となりますから、時給1,000円で、アルバイトを雇っている会社から見れば随分と高いように感じるかもしれませんが、実は、デザインとうい業務が、見積に示した時間の倍以上の時間がかかっていたり、内部没案が氷山の水面下の氷のようにいっぱいあって、クライアントからは見えないところが多く、決しておいしい仕事ではないのです。 例えば、コップのデザインとしましょう。「売れるデザイン」がテーマです。 ただ形を考えるだけなら、1時間もあれば十分です。その場合6,250円です。ただし、斬新さやユニークさは無く、売れるデザインにはなかなかならないでしょう。 売れるデザインを考えるなら、今どんなコップが売れていているかマーケッティング調査が必要です。これに少なくとも半日。製品が発売できる来年はどんな形がうけるのかデザイン調査も必要です。アイデアを考えます。これにも少なくとも1日。デザイン確認のモックアップづくりに半日。3Dで作るならデータ作成にさらに半日。デザインにOKが出て、技術者と話し合いをし、生産移管に半日。柄や色の決定、図柄の制作に半日。 これで最低 3日150,000円 実際には、調査にもっと時間がかかったり、アイデアを考え絞り込むのに時間がかったり、デザイン案を3つ作ったり、社長からダメ出し食らってやり直したり、技術者からできないと言われできる案を一緒に考えたりで、この倍の手間と時間がかかるでしょう。そうすると 6日300,000円 もう少し手間のかかる電気ポットの場合はどうでしょう。 調査も少し面倒になります。これに少なくとも1日。製品が発売できる来年はどんな形がうけるのか、外観形状やアイデアを考えます。これにも少なくとも2日。デザイン確認のモックアップづくりに3日。3Dで作るならデータ作成にさらに1日。モックアップの評価、修正に1日、デザイン案にOKが出て、技術者と話し合いをし、図面を書いて技術移管に2日。柄や色の決定、図柄の制作に1日。これで最低 10日500,000円 これも実際には、調査にもっと時間がかかったり、アイデアが出なかったり、デザイン案を2つ作ることになったり、社長からダメ出し食らったり、技術者からできないと言われたりで、やはりこの倍の手間と時間がかかるでしょう。そうすると 20日1,000,000円 電気ポットの場合、完成度の高いモックアップを要求すれば、レベルにもよりますが、モデル製作会社に頼むと600,000円~1,200,000円 が必要になり、これをデザイン料に含めるとその代金がそのままデザイン料に上乗せされ、2,000,000円程度になるでしょう。 一般的なデザイン事務所にデザイン依頼した場合は、幾分差はありますがこんなものです。

有名デザイン事務所

HaFu design は無名デザイン事務所なので有名デザイン事務所のことは想像の範囲ですが、雑誌の記事やメディに名前が出てくるようなデザイン事務所は、一般的なデザイン事務所の2倍から3倍程度のデザイン料ではないでしょうか? デザイン料が高い分、メディアへの露出度が高まるので、そういう意味では決して高いものとは言えないと思いますが、リスクは伴います。 有名デザイン事務所、大手デザイン事務所は当然、受注する仕事も多く、業務量も多くなります。 それらの仕事をこなすために、有名デザイン事務所であれば、安い賃金でも大勢が応募してくるインターン生の中から力のありそうな者を採用し、チーフデザイナーがリーダーとなってアイデアや形を考えさせます。そうしたアイデアや造形を評価し、改良し、有名デザイン事務所の案として提案します。若い感性と、実力のあるデザイナーの感性が合体して、優れたデザインが出やすいともいえるのではないかと思います。 有名デザイン事務所の一番強いところは、そのデザイン料が高いことです。 クライアントは、依頼先が有名デザイン事務所でありデザイン料も高いことから、デザイン依頼の決定者、デザインの最終決定者は社長であることが多いでしょう。そうすると、デザイン事務所から出てきたデザイン案が、単なるデザイン案ではなく、社長のデザイン案となって、その製品の商品化に関わる技術者や企画担当者が、「技術的に問題がある」「設計し生産するまでの時間が無い」「コストが合わない」と言っても、一蹴されてしまいます。社長も大金をはたいて、自分が決めたデザインとなると、そのデザインを商品にするために、全社で協力するよう指示したり、通常ではありえないような価格設定を認めたりと、デザインの実現に情熱をもって真剣に取り組むからです。そうすると社内の意識も統一されて、提案されたデザイン案がそのまま製品となって出てきます。いいデザインなわけです。 デザイン事務所からの提案はたいていの場合、外観の色柄形だけでなく技術面やコスト面でも多少ハードルが高いものなのですが、デザイン料が少ないと、失敗してもあまり痛みを感じないし、デザインそのものを尊重しなくなるので、そんなに技術的なハードルが高いのであればやめようとか、コストアップは避けようとか、そんな価格にはできないとかいった、デザインにとっての抵抗勢力が強くなって、デザインを尊重しようというハードルはどんどん低くなってしまいます。 その結果は、デザイン料以下の製品デザインになるのが目に見えています。 そもそも、社長、あるいは事業の最終決定者がデザインを求めていない場合は、デザイン依頼者すなわちデザイン料の決裁者の決裁権限が小さく、その結果デザイン料も少ないものとなり、デザインが尊重されなくなり、いいデザインが生まれないというスパイラルダウンの流れになります。 デザイン料が高額になる有名デザイン事務所を使うメリットは、クライアント側の「デザインの尊重」ということにあるのです。と言うことは、逆に「デザインの尊重」「デザインに期待する」「デザインを信じる」ことができるのであれば、デザイン事務所がどんなところであろうと、デザイン料が少なかろうと、関係なくいいデザインを生み出すことができるとも言えるでしょう。 それから「デザインの尊重」「デザインに期待する」「デザインを信じる」のは社長の仕事であって、いいデザインを求める気持ちが一番大切なのです。その「デザイン希求」の度合いを示すものの一つがデザイン料ということなのです。

大手デザイン事務所

大手デザイン事務所であれば、大きな案件(デザイン料が多額)には、実力者がついて、そうでない案件にはそれなりのメンバーが、あるいは外注でデザイン業務が行われることが多いのではないでしょうか。大手は、受注量も多いでしょうが、事務所を経営していくための経費も当然多くなります。 大手のデザイン事務所の特徴は、デザインのレベルがある程度安定していて、安心感があることだと思います。長年付き合っているクライアントには、かなりの確度でクライアントの求めるデザインを返すことができるのではないかと思います。 逆に、初めて発注してくるクライアントへの提案やデザイン料が少ない案件に対しては、クライアントとして有望株なのかどうか、社会的な価値・プレゼンスも含め自社ブランドの向上あるいはアピールに貢献するか否かで決まるでしょう。クライアントとしての将来性もなく、社会性もなくブランドに貢献しない、あるいは社内の人材育成にも役立たないと判断された少額案件については、体よく断られるのが落ちです。 大勢のデザイナー、イラストレーター、コピーライター、プロジェクトデザイナーなどを使う場合、その業務量は「時間」による把握が中心になります。そうすると、どうしてもデザインが時間でコントロールされてしまいます。結果的に現実主義になるのはやむを得ないでしょう。

小規模デザイン事務所

個人デザイン事務所から3名程度のデザイン事務所であっても、プロダクトデザインからグラフックデザイン、インターフェイスデザイン、Webデザインなど何でも請け負うところが多いように思います。まるでスーパーデザイナーです。 実際のところどの分野のデザインでも基本的な能力があれば、大概のデザインはこなすことが可能ですが、さすがにインダストリアルデザイナー(工業製品のデザイナー)と、ファッションデザイナーとでは感性もノウハウもかなり違うので、評価はできても、お互いデザイン業務はできないでしょう。 当然のことながら自らのデザインの専門分野については大いに力を発揮することができるのですが、それ以外の分野については、余力でデザインすることになります。余力でも、大抵の一般人にはさすがデザイナーと思えるものが出てくるでしょう。ネットワークを使って、専門のデザイナーに依頼している場合もありますが、依頼してデザインするのもデザイナーの能力です。 感性・能力・実力において長けているからこそ、小規模デザイン事務所としてやって行けてるのではないでしょうか。 小規模デザイン事務所には、ザックリ大きく分けて  ① 大手デザイン事務所などを経て20代で独立  ② デザイン事務所自営を目指して計画的に実力をつけ、30代で独立  ③ インハウスデザイナーを長年続け、経験を積んで、40代以降に独立 の3タイプがあるように思います。 ①は、デザイン情熱型が多く、ノウハウや経験が少ないので、若者向けや感性が重要な製品に向いているように思います。クライアント側がデザインを正しく評価できるか、デザイナーをうまく使うことができるかがポイントになります。 ②は、実力タイプで、それまでの経験踏まえ、クライアント側の担当者と一緒になってデザインの開発を進めるのではないでしょうか。デザイナーの得意分野をよく知ってデザイン依頼することがポイントです。 ③は、ノウハウ・経験型で、デザインの最上流から最下流まで見ることができるのではないでしょうか。事業の決裁権を持つ者が、デザイナーと同格で接することがポイントになります。 小さな企業は、色々な意味で小さなデザイン事務所への依頼を検討することが多いと思います。それはそれでいいのですが、小さなデザイン事務所は、専門分野がそれぞれ異なっていますし、得意とするデザインも異なります。感性や知識・経験・ノウハウも異なり、能力・実力も差があります。依頼しようとするデザイン事務所・デザイナーのことをよく知って依頼することが大切です。  

公的機関のデザイン支援部門

都道府県や政令指定都市レベルの自治体では、商工部局や商工会議所や中小企業支援組織などの傘下にデザイン支援部門を設けているところがあります。そのようなところでは、企業の要望に応えてデザイン事務所とのマッチングを行ったり、デザイン相談やデザイン研究ほかデザインを請け負ったりすることもあるかと思います。 所属員は大手企業の元デザイナーであったり、個人事務所をたたんで所属員になったり人が多いでしょう。そこでのデザイン開発は、公共機関ということもあって、一般的なデザイン事務所に依頼する場合より相当割安ではないかと思います。場合によっては一般事務所に発注した場合の1/2から1/3のコストで同等レベルのデザインが出てくるのではと推測します。  ただデザイン依頼の場合は、公共機関ということもあり、継続的な利用、独占的な利用はできないでしょうし、多忙で請け負ってもらえないこともあるでしょうし、色々条件があるかもしれません。また、ブランド戦略や企業のデザイン戦略といった経営に関わるデザインについては、相談レベルになってしまうのではないかと思います。 大勢のデザイナー、イラストレーター、コピーライター、プロジェクトデザイナーなどを使う場合、その業務量は「時間」による把握が中心になります。そうすると、どうしてもデザインが時間でコントロールされてしまいます。結果的に現実主義になるのはやむを得ないでしょう。 しかし、初めてデザインの外注を考えておられる場合は、一度は相談してみるべきでしょう。

クラウドソーシング

最近はデザイン事務所やデザイナーを選んで発注できるサイトもいくつかあります。まだまだ、グラフックデザインやアパレル関係のデザインが多いのですが、プロダクトデザインも散見されます。 グラフックのロゴやマーク、イラスト制作、チラシ制作などはお買い得(発注得)なのではと推測します。 プロダクトデザインも雑貨や文具などの小物なら、依頼し易いのではないでしょうか? ただ時間計算のデザインになってしまいがちですので、表層的なデザインになってしまうのではないかと思います。 言わば「百均デザイン」、デザインを評価する力があり、そのデザインを使いこなせるのであれば、またその場しのぎ、刹那的、消耗品のように利用するのであれば、有効かもしれません。例えば単発的なイベントを行う場合、そのマークや、Tシャツのプリント柄や、チラシのデザインなどを発注するような活用の仕方です。 しかし、継続的なイベントであったり、イベントのブランドをも構築するのであったりするような場合、イベント主催者やイベント企画会社とも密な打ち合わせが必要となりますし、長期的な視野で考える必要もありますので、難しいように思います。CI(Corporate Identity)・VI(Visual Identity)・BI(Brand Identity)など、戦略的なデザインや、事業を左右するようなもののデザインは、難しいように思います。 クラウドソーシングをきっかけとして、気に入ればそのデザイン事務所と関係を築いていくという形がいいのではないでしょうか。

デザインの範囲

デザインと一言で言っても、その意味するところは、千差万別です。特に、デザイナーと一般の人のデザインの意味するところはかなり違うことが多く、ここにデザイン事務所とそのクライアントの間で食い違いが起きる原因があります。デザイナーは、クライアントの言うデザインが何を指すのか、話をしながら見定めて(聞き定めて)いくのですが、それでも齟齬が残る場合があります。 デザインの最上流の、デザイン事務所によるクライアント企業の評価から、最下流の開発した製品の廃棄まで、またブランディングから、ビス1本のデザインまで、デザインの守備範囲は広大です。 どの範囲を依頼するのかで、出てくるデザインもデザインの評価もまったく異なります。 スケッチ1枚の依頼は、クライアントからすると、「デザイン依頼」でしょうが、デザイナーにとっては、イラストレーターへの「イラスト制作依頼」であったりします。 デザインの範囲と言うものを、デザイナーも依頼者も明確にしておくことが重要です。

プロダクトデザインの川上から川下まで

(1)クライアントが何を求めているのか、どのような事業をしていて、キーパーソンが誰なのかなど (2)環境や背景の調査   (3)具体的なテーマ確認 (4)具体的なテーマについてさらに調査 (5)コンセプトを立て、仮説設定 (6)アイデア展開・視覚化 (7)ラフスケッチ (8)ラフなモデル (9)試作 (10)スケッチや3Dイメージの制作 (11)モックアップの制作 (12)プレゼンテーション (13)デザイン決定 (14)技術検討、技術移管 (15)生産移管。色や仕上げ、素材の指定 (16)製品試作チェック (17)生産(量産・倉入れ) (18)広報、宣伝広告、販促、展示会など (19)市場評価、売れ行き、売れ方、ユーザーアンケートなどの確認 (20)使用結果の確認    

デザインの範囲は??

始めてデザインを依頼するクライアントは、ほとんどが上記の(10)だけをデザインと考えていて、デザイン料を想定します。しかし、(10)の内容を頼まれたデザイン事務所は、全てとは言いませんが(1)~(12)までを想定してデザイン料を見積もります。その結果、クライアントは、「こんなに高いの!」とびっくりするわけです (10)の内容だけのデザインと言うものも無いわけではなく、コスメティックデザイン(Cosmetic Design)と称する、色柄形を一見カッコよく見えるように仕上げたものがあります。雑貨などこれでOKのモノもありますが、やはり本物のデザインにはなりません。それがなぜ良くないか、詳しくはお尋ねください おそらく、クライアントが想定している(10)のデザイン料は、デザイナーでなくイラストレーターに「こんなものを書いてくれと」と描く対象とおおよそのイメージを示して依頼したときのイラスト制作料に相当するのではないでしょうか。この場合、何をどのように描くかにもよりますが、ザックリで1点 20,000円~50,000円、制作日数1日~2日程度でしょう。ただし1日~2日は、制作にかかる日数で、納品日数ではありません。 この場合も、イラストレーターにデザインを考えるところまで依頼すると、イラスト制作料は上がります プロダクトデザインでは一般的に、(1)~(12)もしくは(15)までがデザインの範囲となりますが、デザインコンサルティングの場合は(18)、(16)までみることもあります。長期契約では(20)までみることにもなるでしょう とにかく、初期の時点で、クライアントとデザイン事務所は、デザインの範囲をクリアにしておくことが大切です。

デザイン料の構成

1.デザイン相談・見積 0円/日~

デザイン相談もデザイン見積も営業ですから、他の商売と同じく原則無料です。これにデザイン料を取って、取れるお客を逃がそうなんてデザイン事務所は聞いたことがありません。 むしろ、相談があれば、相談相手のWebサイトをチェックし、扱っている商品について調べ、相談に応えられるよう場合によってはコンセプトやアイデアも考えて準備するでしょう。 ただ、事務所から遠隔地である場合は、交通費実費ぐらいは請求されるかもしれません。

2.デザイン調査 20,000円/日~

競合商品やのデザインや、トレンド調査を行います。今市場にある製品から、これからデザインする製品が市場に出るときに、他社の次期製品に勝てるかどうかを考えるための調査です。市場に無い新規製品の場合も、競合する商品やサービスが生まれてこないか調査します。 製品により調査の必要が無い場合もありますが、稀です。 調査は、製品が使用されている現場を見る「ユーザー調査」、販売されているところを見る「市場調査」、ネットで画像検索や評価を見るの「Web調査」、製品を使ったり、分解したりしてより深く知る「現物調査」、知的財産権から調べる「知財調査」などがあります。 「ユーザー調査」には、「アンケート調査」「インタビュー調査」「観察調査」などがあります。他にも「定点観測」や「フィールド調査」などがありますが、詳しくは、「デザイン手法」の項で紹介します。 新規のクライアントの場合は、デザインする製品の調査もさることながら、クライアントのデザイン依頼の目的・意図、技術的な能力、事業推進能力、デザインに対する理解度、デザインに対する想い、デザイン決定の仕組み・キーパーソン、なども調査します。 これを、調査に含めるかどうかは別として、デザインを進める上では、市場を見る以上に重要なことです。 「オリジナリティのあるデザインを開発するので、調査はしない。」「市場や競合商品を見ればそれに引っ張られてオリジナリティが出にくくなるので、調査はしない。」 とカッコぶっていうデザイナーやデザイン事務所もあります。これには、「実はよく知っているので調査が必要でない」 というケースと 「どうしても既存商品に引っ張られてアイデアが出せなくなる」というケースと、「とりあえず形を出して、出てきたものが後の調査で知った情報に対して問題があった場合はやり直す」の3つのケースが考えられます。ただし、調査する“情報”は、クライアントやユーザーの情報、製品そのものの情報のことではなく、「市場や対抗商品」の情報のみの狭い意味の“情報”のことを意味することが多いでしょう。 自信と情報の蓄積と、“情報”に出会った時の対応能力がある場合は、「とりあえず形を出して、出てきたものが後の調査で知った情報に対して問題があった場合やり直す」と、なるでしょう。 自負と、誤解(情報が無くてもいいデザインができるという認識不足)と、開発したデザインに対しその後知った情報に対して問題があった場合の修正能力に自信が無い場合は、「どうしても既存商品に引っ張られてアイデアが出せなくなる」というケースかもしれません。 一般的には、デザイン開発効率から、調査を重視します。最初から徹底的に調査する場合もあれば、開発しながら調査を進める場合もあります。コンセプトも開発途中で変えていくこともよくありますし、仮説コンセプトをピュアに表現するため、意識的に市場調査や対抗商品の情報から隔離された状態で、デザインを推進する場合もあります。 いずれにしても、「調査をしない」と言うのは、デザイナーなりデザイン事務所の「カッコぶり」の言葉で、自信と欺瞞の交差した言葉ではないかと思っています。結果的にはいいデザインが出れば、調査しようとしまいがどちらでもいいのですが、やはり調査した上で、調査した結果を受け止め理解し、結果に引きずり回されないデザインをするのが王道かと思います。

3.デザインコンセプト 40,000円/日~

アイデア開発と並んでデザインの“肝”です。これで、デザインの良し悪しが決まります。分かり易く言うと「デザイン目標」です。「基本概念」とか「デザイン構想設計」とも言われます。 具体的には、「キーワード」「デザインの狙い・意図・意味」「ターゲット(対象ユーザー/販売取扱店/対抗商品 など)」「デザインポイント(特徴)」「デザインが目指すレベル」などを簡潔に示したもので、言葉や図表や画像(写真)などを用いて表現します。 デザインコンセプトを表したものは、紙1枚だったりするため、こんなのにお金を払うのかと思われるクライアントもいますが、コピーライターの仕事であれば、一言であっても数十万円から数百万円するのと同様、デザインナーの力が凝縮された重要なものです。ただ、レベルには雲泥の差があり、紙くず同様のモノも散見されます。その評価は非常に難しいでしょう。

4.デザイン開発 40,000円/日~

アイデア開発も含むいわゆるデザインです。デザインコンセプトと並んでデザインの“肝”です。ブレスト(ブレーンストーミング)や、チェックリストでアイデアを出し合い、ポンチ絵(簡単な手書きのデザインスケッチ)で形や構成のアイデアを展開していきます。調査・分析結果や、コンセプトはデザイナーの頭の中にあって、それとアイデアを突き合わせながら、どんどん展開してゆきます。 この段階では、デザイナーは時間も忘れ、無我夢中に仕事をします。外から見ると、遊んでいるように、あるいは寝ているように見えるかもしれません。いや、実際に寝ている場合もあります。が、頭の中はフル回転で、寝ながら考え、食べながら考え、トイレの中でも考えます。従って、1日8時間労働ではなく、24時間労働です。よって 13,333円/日との記載の方が正しいかもしれません。 まあ、どんなデザインでもというわけではなく、デザイナーがのったデザインで、それだけに集中できる場合のことですが。 デザイン開発の結果は、事務所内では、ポンチ絵だったり、ラフスケッチだったりしますが、クライアント様には、さすがと思われるスケッチでなければお金をいただきにくいので、ポンチ絵でもちょっとよそ向きに書きます。これが結構時間がかかってしまいます。アイデアやデザイン創作の結果のプレゼン用でとしては、仕方がないのですが、この表現の出来の良し悪しが、デザインの良し悪しと勘違いされない様にすることも重要です。 特に、デザイン事務所と初めてお付き合いされるクライアントさんは、スケッチの出来栄えに目を奪われ、デザインを正しく評価できない場合が多いのです。 デザイナーは、視覚的表現のプロですので、3DCGなんかでカッコよく見せクライアントをだますこともチョチョイとやってのけます。そして実際の商品にするときは、技術的な問題やコストの問題で、不細工なデザインになったと言い訳すればいいのです。 技術的な問題やコストの問題も含め、デザインですから、デザインスケッチだけがカッコよくて、製品になった時は不細工なデザインは、Badデザインに他なりません。

5.デザイン決定 0円/日~

考え出されたデザインは、事業主(小企業であれば社長、大企業であれば事業の決定権がある事業部長)に提示(プレゼン)し、デザインを決定していただきます。デザインは事業を左右しますから、デザイン決定権は、事業主にしかありません。「後で社長にモックアップを見せるから、今私に説明だけして」と言うのは、無しです。いつまでも返事をもらえなかったり、デザインがひっくり返されたり、するのが落ちです。 それ以前に、デザインを求めていなかったり、デザインを信頼していなかったりで、そもそもデザインを請け負うことに問題がありそうです。 もちろん、商品全体のデザインや、ロゴマークなどのデザインではなく、部分的なデザイン変更や、マイナーチェンジのデザイン変更の場合は、部課長レベルでのデザイン決定もあります。時と場合によります。 デザイン決定の対価については、デザイン開発全体の中に含まれることが多いのですが、モックアップを制作し提示する場合のモックアップ制作料は、別途見積もりになるか、クライアント持ちになることが多いでしょう。また、クライアントが営業先に見せるなどのために、特別に3DCGでのスケッチやアニメ動画プレゼンを要求してきた場合も別途料金になります。 また、契約にもよりますが、プレゼンのための出張費も別途請求ということが多いでしょう。 デザインの決定が0円/日~となるのは、「デザインを決定するのが事業主であれば、デザイン事務所がデザインを見せるのはデザインの納品に当たるから、納品作業にデザイン料が発生するのはおかしい」と考えるクライアントの気持ちを忖度してのことです。 実際にはデザインプレゼン用スケッチと言うのを、デザイン開発後にわざわざ制作することも多く、デザイン決定もデザイン開発の一環であって、デザイン料が発生しています。

6.デザイン移管 40,000円/日~

決定したデザインを製品化するための業務です。コップのデザインのように、デザインが決定したら、デザイン決定案のスケッチをクライアントに渡し説明をするだけでいいという場合もありますが、たいていの場合は、製品の設計段階で決定したデザインの製品化に様々な課題・問題が出てきます。その都度デザイナーは、技術者と相談し、時には喧嘩もして、課題・問題を解決していく必要があります。 この段階で、デザインが良くも悪くも変わっていきます。デザイナーの腕の見せ所です。デザイナーの知識と経験、ノウハウが問われます。 電気ポットであれば、技術者が設計するための図面(デザイン図面)の作成、素材の指定、色・仕上げの指定、操作部の詳細デザインとそのデザイン図面の作成などを行います。 技術者が生産用に設計を進めると、様々な問題が必ず出てきます。ここが智慧の出しどころ、妥協するとすぐに「これ、決定したデザインと違う」と社長に言われるでしょうし、かたくなにこちらの指示を押し通そうとすると、コストアップや開発スケジュールの遅れ、技術者の反旗となってしまいます。 大変でもある一方、これを乗り越えれば喜びとGood Design が現れます。 製品にグラフックやGUI(Graphical User Interface≒画面のデザイン)がある場合は、グラフックデータや、GUIのデータの制作もデザイン移管に含まれます。契約にもよりますが、制作料は別途になることが多いでしょう。これについては 20,000円/日~ が相場です。

デザイン料の種類

デザインの料の支払い方の種類です。大きく分けると、一括デザイン買取型と、ちょびちょび長く成果報酬ロイヤリティ型とデザイン顧問型の3種です。実際は、その中間型や、良いとこ取り型などがあります。

1.デザイン買取型

例えば、100万円のデザイン料であれば、 (1)契約時100万円一括前払い (2)契約時50万円、デザイン完了日50万円 (3)契約時40万円、デザイン提案・決定時30万円、デザイン移管完了時30万円 (4)契約時10万円、デザイン提案・決定時50万円、商品販売開始時40万円 デザイン事務所としては、報酬額が決まっており、確実なのでうれしい形です。クライアントとしては、成果が見えずリスクがあると言えるでしょう。有名デザイン事務所に依頼する場合など、クライアントがお願いする場合にはこの形が多いと思います。 逆に、確実にお金の欲しいデザイン事務所が大幅にコストダウンを図って、この形にすることもあります。

2.成果報酬型

デザインした商品の売れた数により、ロイヤリティとしてデザイン料を徴収する形です。 (1)出荷商品1品につき出荷額の5% (2)契約時100万円、出荷商品1品につき、最初の10,000台:出荷額の5%、10,001台~20,000台 3%、20,001台~50,000台 2% (3)契約時10万円、商品販売開始時10万円、出荷商品1品につき出荷額の5% (4)契約時10万円、商品販売開始時10万円、商品取り扱い4半期毎に3万円 (5)契約時10万円、商品販売開始時50万円、商品取り扱い1年毎に6万円 (6)出荷商品1品につき出荷額の7%のロイヤリティ。購入者に購入登録で2%のポイントを与え、デザイン事務所が購入登録とポイント付与(2%還元)などを行うことで販売量を把握。実質5%のロイヤリティと、購入者にとって商品価格の2%割り引き (1)が、純粋なロイヤリティ方式ですが、デザイン事務所のリスクが高すぎるためあまり採用されていないと思います。 (2)は、クライアントが大手で、契約や税務上、不正をしにくく、生産量が多い場合で、出荷数が増すにつれてロイヤリティは少なくなります。発売から時間がたつと、デザインの新規性やインパクトも弱くなり、対抗商品が出てきて値崩れなどを起こしやすくなります。そうしたクライアントの負担を軽減しつつ、デザイン料を得る方式です。大手デザイン事務所や、ヨーロッパのデザイン事務所多いのではないでしょうか。 (3)は、クライアントが中小の場合で、デザインのイニシャルコストを抑えたいとの要望に応えるものです。ロイヤリティの部分は、クライアントに出荷台数を報告してもらい、それを元にデザイン料を請求するのですが、税務査察でもない限り、報告書の数値を確認する手立てがありません。クライアントには出荷台数の報告に多少手間がかかります。デザイン事務所にとっては、信頼関係だけを頼りにするリスクの多い契約なので、好まれません。 (4)ロイヤリティ方式とは言いにくいところもありますが、3のクライアントの手間と、デザイン事務所のリスクを減らそうという趣旨の方式です。取り扱いは、Webサイトへの掲載、商品が掲載されたカタログの配布、価格表などで確認します。 (5)買取方式とロイヤリティ方式の中間型です。デザイン事務所としては、利益をある程度確実確保できますし、クライアントもわずらわしさが(4)より減少します。 (6)は、少し面倒になりますが、商品にサービスが付随している場合や、高額商品、BtoBなどの場合に、デザイン事務所の取り逃しをなくし、クライアントの手間を省くために利用されます。 中小のクライアントは成果報酬型でイニシャルコストを下げる方を選択することが多いと思います。

3.デザイン顧問(コンサルティング)型

デザイン顧問契約を結び、簡単なデザインなら顧問料の中で、特別に負荷がかかる場合は別途デザイン料を払う方式です。デザイン顧問として、継続した関係になるので、商品調査やクライアントを理解することに時間を費やすことが無く効率的にデザイン開発が薦められます。また、クライアントのデザイン教育、デザイン指導も自然と為されていくので、クライアントのメリットも大きいでしょう。 顧問料は、下記のような形がありますが、クライアントにより様々です。 (1)単位契約    1)年単位(定額 + 業務負荷により別途加算)    2)月単位(定額 + 業務負荷により別途加算 /          業務発生月のみ定額 + 業務負荷により別途加算) (2)顧問基本契約は結ぶが業務発生都度計算    (時間や、業務負荷による単位計算) (3)イベント毎に契約    1)セミナーや講演    2)デザイン開発プロジェクト      ・数週間から数か月に亘るデザイン開発にチームメンバーとして指導的立場で参加    3)デザインソン(デザインとマラソン を掛け合わせた造語)      ・デザイナーとクライアント企業の開発者らが、2日から5日という短期間に集中的にデザイン開発に取り組み、その期間内に結果を出す

デザイン料の加減要素

デザインの料を左右する要素としては、上位の他に以下に示すような様々な要素があり、個々に契約で決められます。ただし、小企業との取引においては、口約束程度でデザイン料が曖昧なまま、デザインを請け負うことも多いように思います。

1.デザインのレベル

デザインの質の高さ、デザイン品質。基本的にはデザイン料に比例すると考えられますが、基本や常識を覆すのがデザインでもありますから、デザイン料やデザインにかける時間だけでは決まりません。

2.デザインの完成度

デザインの仕上がり、行き届いた配慮です。デザインレベルとも重なるところがありますが、完成度は時間と手間をかけ努力することで上がります。丁寧なユーザビリティテストや、十分に考えられた設計、ディティールの詰め、吟味された素材・仕上げなど。いくら追求しても大きく外観が変わるわけではありませんが、そのわずかな違いが、デザインに雲泥の差を生み出します。 時間も手間もかかるので、デザイン料に大きくかかわってきます。

3.新規か、フルモデルチェンジか、マイナーチェンジか

全くの新規か、カテゴリー内での新規か、バリエーション展開/リサイズ展開/リピート か。 全くの新規の方がデザイナーのモチベーションを高く維持することができるので、好まれます。難しいのはカテゴリー内、あるいはラインナップ上で新規性を求められる場合です。新規性と、イメージの踏襲とのバランスに悩みます。技術検討や生産移管は、もちろん新規の方が手間で、デザイン料もかさみます。 リサイズや一部変更の場合は、デザイン料も少なくなりますが、それ以上にデザイナーのモチベーションは落ちているでしょう。

4.デザインの作業料

もちろん多い少ないはデザイン料に反映されますが、それ以上にモチベーションが重要です。デザイン業務がクリエイティブではなく単純作業に近い場合は、量の多いことでの割引と、モチベーションの維持費とが相殺されるのではと思います。

5.デザイン開発スピード

超特急、急ぎ、普通、ゆっくり、発売日が決まっている、展示会がきまっているなど、デザインを急がせて取り組み時間が少なくなっても、スピード開発の加算料金と相殺されるので、デザイン料は変わらないことが多いのではないでしょうか。 逆に、クライアントの都合で、開発が延び延びになる場合はコストアップに繋がります。

6.デザイン調査

ユーザー調査や、人間工学的な調査など、色々な手法があります。価格も様々です。大規模な調査の場合や、マーケッティング調査の場合はデザイン料とは別途になります。 詳しくは、お問合せください。

7.試作モデルの取り扱い

モックアップ(実物大デザインモデル)、動作モデル、ラピッドプロトタイプ、などの制作料を含めるか否か、最終的にどちらが所有するのかにより異なります。 一般的には、プレゼンテーション用や営業サンプル用のデザインモデル(モックアップモデル)は、全額クライアントの費用でクライアントの所有です。そのため、デザインモデルの発注・費用処理そのものも、クライアントサイドで行うこともあります。 なお、社外ユーザー調査のためのモックアップモデルも、クライアントサイドの費用になります。 デザイン検討用のラフモデルやサイズモデルは、デザイン事務所の費用で、デザイン事務所保有になりますが、クライアントの要請やクライアントが最終的に所有する場合は、クライアントが費用の全部または一部を負担することになるでしょう。

8.実費について

交通費/プレゼンテーション/参考品購入などの実費は、普通はクライアントの負担です。 打合せやプレゼンテーションで、クライアント企業や指定の場所に出向いた時の交通費は、公共交通機関を利用した金額がベースになります。また入場料などもクライアント側の負担になります。 参考品はクライアントの了承を得て購入し、最終的にクライアントが所有するものは、クライアントの費用です。

9.法規制対応

安全性他、JIS、家庭用品品質表示法、電気用品安全法、おもちゃの安全基準などに則ったデザインとするため、規定集を購入したり、検査などのために費用が発生する場合も、普通は別料金になります。これらを含むような契約の場合は、デザイン料にその分が上乗せされると考えられます。

10.弱者対応

ユニバーサルデザインなどの弱者対応は、デザインの義務的要素とも言えるので、これはデザイン料の中に最初から含まれていると考えるべきです。別途弱者対応料を請求してくるデザイン事務所は、もともとそのレベルのデザイン事務所と考えてください。

11.技術移管の業務

技術移管とは、決定したデザインを製品にするために、技術者と一緒になって検討することですが、一般的に言われる「デザイン」の範囲外であることが多く、費用も別途となることが多いでしょう。時間的にも労力的にもかなりのボリュームになり、デザイン料もかさむはずですが、デザイン事務所の考え方によると思います。

12.グラフィックやインターフェイス

単に、データを作成するだけであれば、クライアントサイドや外注で可能ですが、そこがデザインの魅力となる要素であったり、操作性を追求したりする場合は、デザインにパワーが必要です。一般的にはデザイン料の中に含まれますが、データ制作や版下作成は、別途になることが多いと思います。

13.パッケージ

商品パッケージや、包装紙のデザインは、契約で含むと書いていなければ、基本別料金です。

14.マニュアルや説明書

取扱い説明書や、製品の説明書、マニュアルなども別料金です。これらは、専門の部署や専門のグラフックデザイン事務所、編集事務所などに依頼することが多いでしょう。 プロダクトデザイン事務所は、A4 1ページ程度ならともかく、それ以上になれば、外注を使うことが多いので、これまでデザイン料に含めると、デザイン料は非常に高くなります。

15.ロゴ/マーク

グラフックデザインの範疇ですが、製品につけるマークとしてプロダクトデザインでもよくデザイン開発します。最初に、ロゴ/マーク 開発料として項目を上げていれば有料に、そうでなければデザイン料の中に包含されることが多いでしょう。 デザイン開発の費用は、2~3万円の場合もあれば、数十万円以上の場合もあります。 CIやブランディングとして、マークやロゴを開発し、新たに商標を取る場合は、調査が必要になりその分費用は上がります。海外展開する場合は、対象とする国数、地域にもよりますが、調査だけで100万円から数千万かかります。 有名キャラクターなどを扱う場合は、その使用料などを考慮する必要があります。

16.アプリケーションソフト

最近のプロダクト商品は、ちょっとしたものでもアプリケーションソフトが付随していたり、アプリケーションソフで追加サービスが受けられるようになっていたりします。 製品とは切り離して別にアプリケーションソフトを開発できる場合もありますが、製品デザインと密接に結びついたアプリケーションソフトもあります。その場合は、やはりデザイン事務所がコントロールするのがいいでしょう。ただし、アプリケーションソフトも制作できるデザイン事務所もありますが大抵は外注になります。やはり、数十万円以上のコストになるでしょう。

17.広告/宣伝

プロダクトデザイン事務所が、写真撮影、Webサイト、CGアニメーション、広報なども関わる場合、実際の作業は外注になることが多いでしょう。写真やWebサイトの依頼先が、プロダクトデザイン事務所でない場合も、それらはプロダクトデザインと密接に関係するので、お互いのコミュニケーションが取るようにしておくことが大切です。

18.販促

チラシやポップ(pop)は、専門の事務所や、グラフックデザイン事務所の仕事になりますが、プロダクトデザインとの関係が深いので、打合せは必須です。打合せの実費は必要です。また、時間制でデザイン料を決めている場合は、その打合せ時間分加算されるとみていいでしょう。

19.ブランディング

CIなどコーポレートのブランディング、製品やシリーズ商品のブランディング、Gマークの取得など、デザイン相談時に何をするかをよく話ししておくことが重要です。ブランディングなどを行う場合は、契約時に、ブランディング料も含めしっかり決めておくことが大切です。

20.販売ルート

商品を売っていくには、どこで売るのかということが非常に重要です。店頭販売だけなのか、ネットで販売するのか、海外にも売るのかで、製品の構造や材質、表示、パッケージングなどが変わってきます。当然デザイン料にも関わってきます。 マーケッティングや、プロモーションに関与する場合はその分のデザイン料が加算されます。

21.不採用案の取り扱い

デザイン料が、採用案の対価か、不採用案も含めた対価なのか、一部(部分的な)採用の場合はどうするのかも最初に決めておかないとトラブルの元になります。 普通は、採用不採用に関わらず、デザイン提案のプレゼンをもって完了とみなすか、商品化(量産・倉入れ、または出荷)をもってデザイン完了とするなど決めておきます。部分的な採用の場合は、契約時にデザイン採用の割合を決めておくといいでしょう。 また、不採用案を他社に提案していいのかどうかも決めておきます。普通は他社提案を禁止し、その分デザイン料を高めに設定します。

22.デザインの尊重

デザイン事務所のブランドを保つため、開発したデザインの大幅改変を認めない場合や、デザインの改変に際して、デザイン事務所の了承を義務付ける場合があります。デザイナーやデザイン事務所の名前を広告・宣伝に使う場合は、ほぼそうした契約になります。当然デザイン料も高めでしょう。場合によっては、名前の使用料をとるデザイン事務所もあります。 有名デザイン事務所でない場合も、クライアント側で勝ってに改変していいのか、デザイン事務所の名前を出してもいいのか、最初に決めておくといいでしょう。デザイン事務所としては、名前が出る方がうれしいので、これによってデザイン料が変わることは無いと思います。

23.知財の扱い

意匠や特許などは、出願料、登録料ともクライアント側が持ち、クライアントの権利とするのが普通です。これは、開発した意匠が登録され、出てきたアイデアに特許性があるのは、そのためのデザイン開発ですから当然ですし、意匠も特許もデザイン料の中に含まれると考えるからです。 それと、もう一つは登録された意匠や特許の活用が、クライアントを抜きにしては非常に難しいからです。 ただし、創作者の中に、デザイナーの名前を入れることを大抵のデザイナーは要求しますし、法的にも合致します。デザイナーにとっては、そのデザインの創作者であることの証拠となるのでうれしいことです。 知財は、普通はクライアントの権利なので、権利の所在はデザイン料に関係しませんが、デザイン料を安くするために、権利の共有を認めることもあります。

24.デザイン料のコストダウン

初回割引 デザイン事務所の中には、初回割引ということで、最初の取引のデザインに関しては幾分安くすることがあります。デザインでなくてもよくあるこれは営業戦術ですが、実は最初のデザインこそ、デザイン事務所の負担は大きく経費もかかっているので、クライアント側としては大変お得な依頼になると考えていいでしょう。 ただし、デザインの質は回を重ねる方がよくなるので、初回割引ばかりをショッピングするのは、ナンセンスです。 仕様変更無し デザイナー泣かせは、これです。仕様変更がデザイン業務の途中であれば、極端な場合デザインのやり直しになります。クライアントは、「これぐらいは」と思っていてもデザイナーにとってはそうでない場合が多々あります。 「仕様変更なし、変更の場合はデザイン料UP」を明記できるならデザイン料をコストダウンできるかもしれません。 手戻り・やり直し無し 何回もダメ出しを食らうと、やる気をなくします。特に担当者と打ち合わせた結果が、社長に気に入られないなど。だから、デザインは社長(事業推進責任者)と直接話ができないとうまくいきません。 手戻り・やり直しは、デザイナーのモチベーションを下げ、時間と手間を倍化させます。事業推進責任者との直接コミュニケーションが約束できるのであれば、デザイン料は、既にコストダウンされているでしょう。 クライアントのやる気 これがあるとデザイナーも頑張ります。多少の無理も聞いてくれるでしょう。コストダウン効果も大きいと思います。

24.解約の取り扱い

「デザイン契約」で抜けがちなのが途中解約の場合の処理です。デザイン事務所もクライアントもお互い、解約したくなる場合があります。そうした場合に備え、それまでに考えたアイデアや、デザイン案、知財などをどのように取り扱うのか、またデザイン料の支払いについても、明確にしておく必要があります。

26.企業規模

デザインを初めて請け負う相手企業が、大企業であれば初回割引を考慮しつつも通常の価格で見積もりします。大企業はそれを想定して見積依頼してくるからです。 中小企業の場合、初めてのデザイン依頼ということも考えられるので、相手の顔を見つつ、初回割引の割合を考えます。デザイン事務所としては、仕事が欲しいのでとにかく入り込みたいと考えますから、大幅割引もあるかもしれません。 個人企業の場合、これはほとんど商売になりませんが、付き合いでデザインを請け負う(?)ことがあります。過去、デザイン料として、米一俵、鰹の生節などをいただいたこともあります。

27.デザイン事務所の都合

これは、デザイン料に大きく反映します。 マンパワーが無い場合は、断られるように高めに、あるいはネットワークを使って外注できるような料金設定で。仕事を求めている場合は、相手の顔をみて、特別料金など、これは他の分野の企業と同じ処世術です。

28.社会的な動き

経済情勢の変動、消費者物価の変化、消費税の変更、社会情勢の変化など、他の企業と同様でしょう。残念ながらプロダクトデザインは不況になった場合、初めの方で切られる業種です。

28.大体調整

なんだかんだと言っても、だいたいこんなもんだろうと、先に見積額を決め、それに詳細見積もりを合わせ込む。現実的には、これが一番多いでしょう。デザイン料の加減要素だけでも28項目もあるのですから、見積なんてまともには算出しがたいのです。デザインは本当に微妙であいまいです。それがデザインです。

デザイン依頼で最も重要なこと

それは、社長の「デザイン希求」です。事業をデザインで何とかしたい、この想いが強いほど いいデザインができます。 デザイン希求の度合いが、デザインの良し悪しを決定します。

HaFu design へのデザイン依頼、デザインに関するご相談

メール または電話でご連絡ください。